肩腱板損傷の主な原因は、外傷性要因と非外傷性要因の2つに分けられます。
突然の強い衝撃や事故によって肩に大きな負担がかかると、腱板が損傷することがあります。具体的な例としては:
…転倒時の手のつき:転んで手をついた際に肩に衝撃が伝わる。
…重い物の急な持ち上げ:準備なしに重い荷物を持ち上げる。
…スポーツや事故による衝撃:ラグビーやスキーなどでの激しい接触。
これらの状況では、腱板が断裂するリスクが高まります。
外傷がなくても、次のような要因で腱板が損傷することがあります。
●加齢による変性:
…年齢とともに劣化:特に50歳以上で腱板が弱くなる。
…自然なすり減り:長年の使用で腱板が摩耗。
●オーバーユース(使いすぎ):
…職業的要因:塗装業や大工など、腕を頭上に上げる作業が多い。
…スポーツ活動:野球やテニスなど、肩を頻繁に使うスポーツ。
…日常生活での無理な動作:無理な力のかけ方や繰り返しの負担。
これらの要因が組み合わさることで、腱板損傷のリスクがさらに高まります。特に加齢とオーバーユースは相互に影響し、高齢者では日常的な動作でも損傷が起こりやすくなります。
40肩・50肩(正式名称:肩関節周囲炎)は、肩の関節周辺の炎症によって起こる症状です。一方、肩腱板損傷は、肩を動かすための筋肉と腱の集まりである腱板が損傷する状態を指します。
●肩腱板損傷:
…肩の痛みとともに、腕に力が入らない。
…物を持ち上げるのが困難。
…夜間に痛みが増すことがある。
●40肩・50肩:
…肩のこわばりや動かしにくさ。
…特定の方向に腕を動かせない。
…痛みはあるが、筋力低下はあまりない。
肩腱板損傷:外傷、加齢、使いすぎによる腱板の損傷。
40肩・50肩:明確な原因は不明だが、加齢や生活習慣が影響。
●肩腱板損傷:
…早期診断と適切な治療が必要。
…場合によっては手術が必要になることも。
●リハビリやストレッチで改善することが多い。
●痛み止めや温熱療法などの保存的治療が中心。
肩腱板損傷は、外傷や加齢、使いすぎなど複数の要因で起こり、放置すると症状が悪化する可能性があります。一方、40肩・50肩は原因がはっきりしないものの、適切なリハビリで改善が期待できます。肩の痛みや動かしづらさを感じたら、早めに医療機関で診断を受けることが重要です。