2024年10月26日、ワールドシリーズ第2戦で大谷翔平選手が試合中に左肩を亜脱臼しました。盗塁を試みた際、肩を痛めた大谷選手はトレーナーに付き添われてベンチへ退き、会場も緊張に包まれました。ドジャースのロバーツ監督は「関節が部分的に外れる状態」であると説明し、精密検査の結果を待って今後の出場を判断するとしています。
ここで気になるのが「亜脱臼」という症状についてです。今回は、大谷選手の負傷を例に「亜脱臼」とは何か、原因や治療法についても解説します。
亜脱臼とは?
亜脱臼は、関節が本来の位置から一部ずれた状態のことです。完全に関節が外れてしまう「脱臼」とは異なり、関節が部分的にずれて不安定になっている状態を指します。このため、激しい痛みや動かしづらさが生じるものの、完全な脱臼よりも重症度が低いケースが多いです。
亜脱臼の原因
亜脱臼は次のような原因で起こります。
1. 外傷:大谷選手のように、スポーツ中の激しい動作や衝撃で関節に強い負荷がかかると、骨がずれやすくなります。特に野球などの動きの多いスポーツでは、肩や膝が亜脱臼しやすいと言われています。
2. 筋肉や靭帯の弱化:関節を支える筋肉や靭帯が弱まっていると、少しの動作で亜脱臼が生じることもあります。関節をしっかり支えられない状態だと、転倒や軽い衝撃でも関節がずれやすくなります。
3. 繰り返しの負担:同じ関節を酷使し続けることで、微細な損傷が蓄積し、徐々に関節が不安定になることがあります。
亜脱臼の治療法
亜脱臼の治療には、まず整復が行われ、関節を元の位置に戻します。その後、サポーターやテーピングなどで固定し、再発を予防します。関節の安定性を高めるリハビリも重要で、関節を支える筋肉を鍛えることで再発リスクが低減されます。重症例では手術が必要な場合もありますが、軽度であればリハビリを続けながら日常生活に復帰することが可能です。
大谷選手の今後について
大谷選手の左肩亜脱臼は、精密検査によって詳細がわかる予定ですが、ワールドシリーズという大舞台での負傷はファンにとっても心配なニュースです。亜脱臼は再発リスクもあるため、今後のプレーにどのような影響が出るのか注目が集まっています。
大谷翔平選手は、2024年11月5日(日本時間6日)にロサンゼルスで左肩の関節唇損傷を修復する手術を受け、無事成功したとドジャースが発表しました。この手術は、10月26日に行われたワールドシリーズ第2戦の盗塁時に左肩を脱臼したことが原因で実施されました。手術は球団専属の医師であるニール・エルトラッシュ医師によって行われ、2024年2月10日ごろから始まる春季キャンプには間に合う見通しです。
例えば、春季キャンプでの負担を軽減しながら復帰を目指す可能性があるため、序盤では走塁や守備において制限を設ける措置が取られることが予想されますが、投球には影響がないため、二刀流としての復活が期待されています。
また、手術後のリハビリについては、左肩の負傷であるため、投球する右腕には影響がないとされており、来季も「投打二刀流」での復帰に大きな支障はないと見られています。
なお、大谷選手にとって今回の手術はプロ入り後5回目であり、過去には右足首や右肘、左膝の手術を経験しています。左肩の手術は今回が初めてです。